南国捩花

中村家では小さな植物を良く見かけます 。

今日ご紹介するものも小さなラン科植物です 。

文化財園路のマツの下にピンク色の花が螺旋状に咲いています 。

ナンゴクネジバナ(沖縄名ムデクバナ)と云い、内地のネジバナより大きくガッシリしています 。

ナンゴクネイバナは伊豆七島、奄美大島から沖縄、中国南部、海南島、台湾に分布しています 。

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庚申薔薇

一見見落としてしまうバラが家畜小屋の後ろ斜面に生えています 。

名前は「庚申」=かのえさる=60日に一度あること。それくらい度々咲く、四季咲きのバラと云う意味で庚申薔薇と云っています 。

バラは中国南部、ブータンあたりが原産で 、月季花、長春花とも書きます。世界的にはチャイナローズとなります 。

日本には江戸時代以前に渡来、栽培された記述があります。基本種は一重咲きですが、ここの(中村家)は八重咲きです。

花の色は紅紫色から桃色まであり、その中間色も有ります 。

花と実は中国の漢方薬で生理不順、生理痛、甲状腺の晴れなどに用います 。

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島錦草

道端に小さな植物を見つけました 。シマニシキソウ(別名タイワンニシキソウ)と云って日本のどこえ行っても生えているニシキソウの仲間ですが 、沖縄のシマニシキソウ(地方名アカグサ)はかなり大きいものです 。

熱帯アメリカ原産で、近畿以西で帰化植物として生育しています 。幕末長崎に渡来したのが始まりです 。

最近この抽出物から血糖値低下作用があることが分かってきました 。

道端で探してはどうですか?すぐ見つかるとおもいますヨ !

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島狐の牡丹

文化財中村家住宅の隣、草地の中に黄色い花を見つけました 。沖縄では道端、湿りのある草地ではよく見られる雑草です 。

このシマキツネノボタンはキンポウゲ科の一年草で 、本州島根、山口以南、沖縄、中国に分布している植物で、シマは小さい、キツネノは狐が住むような、ボタンは牡丹のような葉と云ういみです。沖縄の方言でハチグミグァー(初米あるいは八米で、グァーは小さいの意味)です。

花言葉は「独りぽっち」ですが群生して生えていますヨ 。

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雪中花

お正月の花として全国的に知られているスイセン(水仙)、中村家文化財庭園でも咲きました 。

中国では天にいる仙人を天仙、地にいる仙人を地仙、水にいる仙人を水仙と云っています 。

そもそも原産は地中海沿岸でシルクロードを通って中国に渡り、日本に来たのが平安時代末期、(中国では南宋時代)白い花が咲くことから水仙と中国で云っていたのを日本で「スイセン」としたのが始まりとなったようです 。野生化して、暖地の海岸(砂浜)に群生しています 。

ヒガンバナ科で全草有毒です 。嘔吐、下痢、けいれん、麻痺などの中毒症状がありますが、一部抗がん性があることから治療に使われているようです 。

花言葉は「自己愛」、 美少年ナルキッソスが泉に映った自分の姿に恋い焦がれ、憔悴しきって命を失うと云うギリシャ神話から来ています 。

好きな相手を一途に思うロマンチスト。幾つになっても恋のできる柔軟な心の持ち主のようですネ!

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夜香木

駐車場に夜な夜な咲く花を見つけました 。あまり目立つ木ではないのですが、夜になるとよく匂う中木で、あまり多い植物ではないです 。

熱帯アメリカ西インド諸島原産で、明治初年に渡来したものです 。5度以上の水はけの良い光の好きな土地では1年中咲いています。(内地では温室です)

花言葉は「高貴な心」。昼間は匂いませんが、夜暗くなると匂いますので一度お試しになっては!

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九里香

沖縄ではどこえ行っても必ずある植物 。それはゲッキツ(月橘、沖縄名でギキチャー)で、庭木、生垣としてよく利用されています 。

奄美諸島から東南アジアに分布しているミカン科の植物です。中国では花が月夜によく匂う(甘い香り)ことから九里香・十里香などと云われています 。

また寒さには弱いですが性質は強健で、材は極めて硬く、緻密なので、彫刻、ステッキ、農具の柄、文鎮、印鑑、版木、櫛に使われています 。

実は赤く生食やジャムとして 、葉や根が鎮痛、解毒、駆虫剤に、葉を香辛料や盲腸炎に煎じて利用しています 。中村家庭園には色々なところに刈り込みものとして見られます。

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大浜朴

ゆら ゆら ゆうな ゆうなの花は さやさや風の ささやきに 色香もそまるよ ゆらゆらゆら

沖縄を代表するメロディ として知られる「ゆうなの花」の一節です。去年もオオハマボウ(ユウナ)について書きましたが少し付け加えますと 、

原産地はインド、太平洋諸島でいまや熱帯地方の全世界に分布しています 。

用途としての繊維植物の他に発火具用材(火をおこすもの)として南洋諸島で最も広く使われていたもので 、火の起源説話や神話、民話が多くあり、古くはハワイ諸島ではその有用性の故に住民の共有財産として、この木を切るにも族長の許可が要ったようです 。また荷を担ぐ棒や丸木舟のアウトリガー(舷外の浮き材)として使われました 。

沖縄では琉球漆器のモチーフや恩納村の村花にもなっています 。

中村家ではフールの左、土手の上に小さな木があります 。

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トリメジア

沖縄もようやく涼しくなりました(沖縄の人は20度以下になると寒いと云います) 。

あまり晴れの日が少なく、憂欝な日が続いていますが内地はもう雪が降っているようですね !

季節の変わり目なので、体には気をつけて下さいネ !

昨年もトリメジアイリスについてお話しましたが、今年は花が少なく、小さな花ばかりです。原産地(ブラジル、西インド諸島など)では雑草ですが沖縄では台風のせいでしょうか、あまり元気がありません 。

トリメジアの仲間は熱帯アメリカに4~6種あると云われていますが、あまり研究されておらず、文献も少ないようです 。

日本名もトリメジアヤメといい、タイガーアイリス、トラユリなどの名前はトリメジア属の総称のようです 。

日本に渡来した経緯も理由も判らず、沖縄の植物目録にも載ってないことから、中村家のトリメジアヤメは数少ない株だとおもいます 。駐車場にありますのでゆっくり観察して下さい。

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アメリカンブルー

ちょっと!ブログを書く間があいてしまい、申し訳ありません!!

実は?このアメリカンブルーについて書こうとしましたら、産地も学名も違うのに皆「アメリカンブルー」なのです 。

ブラジル、パラガイ産(グロメラータス)、北アメリカ産(ピロータス)、沖縄、東南アジア産(アラシノイデス・デカンデンス)。性状が皆同じ様な記載で、専門家もよくわからないようです。(学名など書いてすいません )

沖縄、東南アジアのものは、アサガオガラクサ(朝顔柄草)。中村家のものはいったいどれ!中村家は古い家なのでアサガオガラクサかも?違いが分かったらまたお知らせします 。

しかし、沖縄では広く街路樹の下や公園、個人庭などに植えられている背丈の低い(30cm程度)、淡い藤色から青色の花を咲かせるヒルガオ科の植物です。

1980年代に日本に渡来したといわれ、観賞用や毛生え薬(インド)の目的のようです。

花の色から花言葉を「あふれる思い」、「清潔」、」「清涼感}、「ふたりの絆」で、6月25日が誕生花です。

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