中城城跡

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 中城城跡は、昔、貿易が行なわれた屋宜(やぎ)の港から2kmほど離れた標高150~160mの地にあります。中城村の西北から北中城村の南側にのびていく丘陵の東崖縁を天然の要害(ようがい)とし、琉球石灰岩の石垣によって築かれた城跡です。300あまりもあるとされる沖縄のグスクの中でも最も遺構がよく残っているグスクの一つとして知られています。石垣に立つと、東に中城湾(大平洋)、西に東支那海を望み、勝連半島、知念半島、さらには周囲の洋上の島々まで見渡すことができる眺望のすばらしいところです。
 中城は、15世紀前半頃までに護佐丸(ごさまる)によって築かれたといわれますが、一の郭、二の郭と三の郭、北の郭の石積み技法が違うことなどから、先中城按司(あじ)がはじめに手がけたとも考えられています。城は、石灰岩の断崖を巧みに取り込み、それぞれの地形に合わせて高く積み上げた六連郭の曲輪(くるわ)群によって構成されています。城壁は、琉球石灰岩の切石を基本にして、自然の岩石と地形的条件を生かした曲線の美しい石垣に囲まれており、その築城技術は、芸術的とさえ言われるほどで、歴史的に高い評価を受けています。
 中城城跡は、1972年5月15日、日本復帰の日に、国の史跡に指定されました。指定面積は112,399m2(34.000坪)で、その内14,473m2(4.378坪)が城郭の面積です。現在、国際条約に基づく世界文化遺産候補にあがっていて、注目を集めています。
・・・南海の古城に息づくいにしえのロマン。石垣をわたる風は、訪れる人を古琉球へと誘ってくれます。

*古琉球
 三山時代から統一を経て薩摩侵略までの14世紀前後から17世紀初めまでの沖縄の歴史区分名、海外貿易が盛んに行なわれ、琉球王国が成立して、文化の華が開いた時代をいう。
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沖縄の世界遺産 中城城跡 公式ホームページ
http://www.nakagusuku-jo.jp

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